書評:なにもしていないのに調子がいい ふだんの「呼吸」を意識して回復力を高める
マインドフルネスや呼吸に関する本を読みまくっている人には既知のことも多いと思われるが、かなり具体的。マニュアルとして使える。
「力まない」だとか、「ふだん」を大切にする、など、こういう本で即効的な対処療法を求めがちな人(自分か...)への警鐘が散りばめられているように感じた。
後半は「所作」という表現を使い、習慣化について説明しており、個人的にはツボ。
最小単位の行為である所作というのは、物を取る、立つ、座る、歩く、しゃがむ、などそういった細々とした体の動き方を指します。 まず、「それらの所作において自分の呼吸がどうなのか?」というところからスタートすることが重要
何か動くときには必ず自分の体、つまり重りを1回鎮めて、重力を素直に下に通すということをする必要があるのです。 具体的に言えば、「一旦停止」をするのです。 一瞬で結構です。 パソコン作業をし終わったら、1回座り直す。 朝出勤の用意を終えたら、1回止まる。出勤時に1回止まる。
勝手なイメージとしては、禅僧とか侍の立ち居振る舞いみたいなイメージかと。
呼吸法の本を読むと、「(これまで説明した呼吸法を)習慣にしましょう」みたいな漠然とした締めが多い印象があるが、本書の説明はしっくりくる。
ひとつひとつの所作を、地に足をつけて行い、ひとつが終わったら一旦停止する。これを心がければ呼吸を乱さず、自然と習慣化される、という感じか。
なお、姿勢自体は「背筋を伸ばさない」「ピンとしない」ことを推奨している。「力まない」という説明もしている。
そうすると、イメージとしては、先程の「禅僧とか侍」(個人的にはピンとしているイメージがある)ではなくて、中国拳法の人(?)みたいな姿勢というべきだろうか。背中を軽く丸める感じ。
まだざっと通しで見ただけだが、何回も読んで身につけるという読み方が適切な本かと。
結構おすすめ。
※2017.03.20追記
再読。やはり、何度も読み返すのにいい本かと。
再読してあらためて気づいた点としては、(よく見ると書名のとおりだが)「ふだん」の「呼吸」が重視されているところ。「呼吸法」はあくまでトレーニングで、本番は「ふだんの呼吸」ということ。“下げる”イメージで呼吸を意識するとよさそう。よく丹田を意識しろって言うけど、このことだろうか。
そのうち書評を上げる予定だけど、「所作」についてはこの本
↓
「ふだんの呼吸」については、この本↓
ペンタゴン式 目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる (幻冬舎単行本)
- 作者: カイゾン・コーテ・著,中津川茜・訳
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に通じるような気がした。