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書評:〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る


感情を無理して変えるよりも(ポジティブシンキングとか)、「態度」を変えれば、感情も自然に変わる、という趣旨。
で、本書ではその「態度」を「パワーポーズ」(スーパーマンのような立ち方)にすることを勧めている。

事例が多く、読むのは大変ながら、読み切ると腑に落ちる。
単なる主観的な主張でなく、科学的なアプローチだからか。

…と思っていたが、こんな記事を見つけてしまった。

「パワーポーズ」の生みの親が「パワーポーズ」を否定しちゃった件

いくつか違和感を感じる箇所はあったので、
まだまだ仮説にすぎないということなんだろうと思う。

# 例えば、一見、ぼそぼそ自信なく、丸まった姿勢で話すけど、できる人とかいるよね、とか。
 アメリカっぽい?できる人のイメージにすぎるというか。

# 自分としては、本書に挙げているポーズより、侍の正座のようなものが
 パワーのあるポーズなのではないかなあと感じた。
 本書の定義からははずれるけど(身体を縮めている)、
 まわりの空間含めて広がっているというか。影響力というか、間合い?制空権?

それでも、個人的には十分参考になった。

自分が相手にどんな印象を与えているかにとらわれるより、自分が自分についてどんな印象をもっているかに意識を向けること。
身体を広げた力強い姿勢をとることによって、さまざまな意味で前向きな気持ちになれる、自分にはできる力があると感じられる

こういうよく見る主張に、ひとつひとつ何らかの研究結果が付いている。
巷の個人的な思いを羅列したような自己啓発本よりよっぽどいい本と思う。

# 上の「身体を広げた力強い姿勢」で、「竜馬がゆく」のなかのエピソードを思い出した。
 常に頭上から岩石が落ちてきても動じない訓練(イメージトレーニング)をしていたら、
 いつのまにか背中が大きくなった(後ろから切りかかれない)、だったかな。
 たぶんこれも実際に身体はそんなに広げていないはず。でも空間含めて広がっているというか。

もったいないのは、科学的に証明された!というスタンスの本なので、
その「科学的」な部分にケチがついてしまい、素直に読めなくなるところ。

面白い切り口な気はするので、もう少し慎重に発表すべきだったのかも。
実際に本書の方法で上手くいっている人達もたくさんいるみたいだし。

つくづく、「科学的」とか、「統計処理」って難しい、と思った。人を対象にする科学は特に。

膨大な事例が挙げられているので(その分、冗長ともいえる)、取捨選択して、モチベーションアップに使うにはおすすめかと。